中央診療部門

移植連携室


臓器移植医療に関して横断的機能を持つ組織

診療部門概要

人工臓器や再生医療の成果がまだ充分でない中で, 善意のもとに提供された臓器を用い、進行した病気をもつ患者さんの治療を行う臓器移植医療は, 国内でも, 腎臓や肝臓を中心として心臓・肺・膵臓・小腸など年間1,500例以上が行われています。

名古屋大学医学部附属病院は、肝移植医療と腎移植医療を中心に、臓器移植分野において東海地方の中心的機関となっている他、小腸の脳死移植認定施設としても認められています。また、将来は心臓移植も実施できるように準備中です。肝移植では, 赤ちゃんから高齢の方に至るまで, 既に150人以上の方が名大病院で移植治療を受けており, 一昔前ならとても救命できなかった方たちが,笑顔で退院していく姿が日常的になっています。

移植医療の実施においては、提供者(ドナー)の存在が必要かつ重要であるため、提供者の意思を、安全かつ最大限に生かす仕組みが必要になります。また、2010年7月に改定臓器移植法が施行されて以来、脳死臓器移植は以前と比べ著しく増加しており、社会的にも注目が高まっている領域といえます。そのため移植医療領域では、医学的にも社会的にも厳正で組織的な安全管理が、他の医療領域以上に求められています。

名大病院の肝移植プログラムでは、移植外科や消化器内科、小児外科をはじめとする多くの診療科の連携のもとに、Efficacy(治療の効果)はもとより、Ethics(臓器提供や治療の倫理)とEconomy(医療における経済的効率性)という “3つのE”を大きな目標にして診療を行ってきましたが、こうした問題は同時に、他の臓器の移植医療にも共通するものであることから、患者さんや地元の医師への適切な情報提供など様々な活動が求められるようになり、臓器移植医療の診療活動に共通する問題に対応する機能を持った部署として「移植連携室」を平成19年4月より開設しました。それまで診療科に所属していた「レシピエントコーディネーター」が、この連携室を拠点に活動しています。移植連携室は、将来的には、各臓器別のレシピエントコーディネーターばかりでなく、院内ドナーコーディネーターの育成なども含め、様々な臓器移植医療に共通した医学的・社会的問題に対処する横断組織となることが期待されています。現在のところ移植連携室では, ①患者さんや御家族からの相談や説明のための面談,②レシピエントコーディネーターによる面談や電話相談, ③専任精神科医や院内適応判定委員の面談, ④地元医師とのさまざまな連絡, ⑤脳死移植の際の第一報から手術終了までの院内外との連絡, ⑥関係診療科によるミニ会議, などが行われており, 移植を受けた患者さんや提供者, さらに待機されている方たちに関する情報の保管と機動の場所にもなっています。外来棟からも病棟からもアクセスしやすい場所に位置しているために, 患者さんや御家族が気軽に訪れることのできる部屋でもあります。現在その活動は、肝臓移植領域が中心となっていますが、将来的には臓器に関わらず移植医療全般に広がっていくと思われます。

 名大病院の移植連携室が, 今後どのような働きをもつ部署に育っていくかは, 名大病院の臓器移植医療の将来と密接に関わっています。皆様の温かいご支援と御協力を御願いする次第です。

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