トップページ研究室紹介(統合医薬学領域)分子医薬学 薬物動態解析学(協力)

分子医薬学

薬物動態解析学(協力)

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研究プロジェクト

ミクログリアの脳における役割に関する解析

 高次機能中枢をつかさどる脳にはミクログリアと呼ばれるマクロファージ様の細胞が存在している。ミクログリアは炎症反応時やウイルス感染時には抗原提示細胞として働いたり、変性した細胞を除去する貪食細胞として働いたりする、いわば脳の掃除屋的な役割を示す細胞であると考えられてきた。しかし私たちはこれまでに、ミクログリアが単にマクロファージのように貪食細胞としてアポトーシスを誘導したり死細胞を除去したりするばかりでなく、より脳に特化した新規な性質を有することを明らかにしてきた。脳から単離したミクログリアを血液中に注入すると脳特異的に浸潤移行することを明らかにしてきた。また、ミクログリアは中枢神経系サイトカインネットワークの中心的役割を果たし、神経細胞をアポトーシスから保護する役割を果たしていることも明らかとしてきた。さらに、ミクログリアが学習や記憶といった高次脳機能発現にも不可欠である可能性を示唆してきた。また、ミクログリアには少なくとも2種類の亜集団が存在し、亜集団によっても性質が異なっていることも明らかにした。これらのようにミクログリアは多様な性質を有しており、単なる掃除屋というよりむしろ脳におけるさまざまな機能調節に関わるdirectorとして働いているようにも見える。現在脳におけるミクログリアの役割をより明確にすることを目的として多面的に研究を進めている。

脳移行性特殊細胞及び脳標的化ペプチドを用いた新規治療・診断法の開発

 脳は血液脳関門により覆われているため、通常薬物や細胞の脳実質内への移行が制限されている。ミクログリアが示す脳移行性は、薬物や遺伝子を脳実質内へ運ぶ点で非常に有用であると考えられる。しかし、ミクログリアは脳実質内に存在する細胞であることから、現在までのところ脳から単離する方法でしかミクログリアを得ることができない。そこで私たちは脳以外の比較的採取しやすい組織からミクログリアの様に脳移行性を示す細胞を探索した結果、未分化骨髄細胞中に脳移行性を示す細胞が存在することを見いだした。これらの細胞は、血液中に注入すると骨髄にホーミングすることなく血液中から脳へ直接移行すること、脳移行性細胞は神経細胞へ分化することなく造血系細胞の性質を維持していること、骨髄由来脳移行性細胞は、表面抗原の発現や培養下の形態においてミクログリアと類似することを明らかにした。脳移行性の骨髄細胞分画は培養下で薬物や遺伝子などを取り込ませることができることから、自己の骨髄由来脳移行性細胞を担体として用いることにより、脳疾患に対する自己の細胞を用いた遺伝子治療や薬物治療を可能にすることができるかもしれないと考えている。また、脳移行性特殊細胞から脳実質内へ移行するための責任分子を取得する試みも行っており、ミクログリアから脳標的化ペプチドを得ることに成功している。責任分子の取得は、脳実質内へ薬物の種類を選ばずに運び入れることを可能にし、さまざまな脳疾患に対する新規薬物治療・診断法の開発ができると考えている。

新規ライブセルイメージング技術の開発

 一般に疾患に対する薬物の効果を見るには、プラセボを投与した動物と目的の薬物を投与した動物での比較を行う。しかしこの方法では、大量の動物が必要になり疾患に対する効果が出ているのかどうかを直接的に分析するには、組織を取り出し検鏡してみる以外に方法が存在しない。そのため経時的に分析するとなれば、同じ動物での治療効果を分析することは事実上不可能ということになる。この問題を解決するために、私たちは侵襲性の低い手法で動物個体における細胞動態や薬物分子に対する細胞の相互作用を経時的にイメージングする技術の開発について検討を行っている。脳は複雑な血管系や頭蓋骨によって覆われているため一般にイメージングが困難であると考えられているが、脳移行性特殊細胞や脳標的化ペプチドに関する技術と高速度あるいは高感度カメラの特性を活かして脳内イメージングを可能にすることを目指している。

大学院入学案内

研究テーマに興味を持った熱意ある大学院生(修士、博士課程)を募集します。
修士課程:4年生大学卒業または卒業見込みの人(入学資格の詳細は医学研究科大学院掛に問い合わせて下さい)。博士課程まで進学して研究を継続する意欲のある人を募集。試験は年1回、応募締切りは8月ごろ。
博士課程:医・歯・獣医学科卒業または卒業見込みの人、およびその他の学部の大学院修士課程修了または修了見込みの人(入学資格の詳細は医学研究科大学院掛に問い合わせて下さい)。試験は年2回(9月、1月)で、応募締切りは8月、12月。

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教員

構成員名/英名表記 役職 所属
澤田 誠/SAWADA Makoto
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教授脳生命科学
小野 健治/ONO Kenji
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助教脳生命科学
溝口 博之/MIZOGUCHI Hiroyuki
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助教脳生命科学
鈴木 弘美/SUZUKI Hiromi
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助教脳生命科学

研究分野紹介

専攻 細胞情報医学専攻
大講座 高次神経統御学(協力)
分野 脳生命科学
ユニット名 環境医学研究所

研究キーワード

ミクログリア、ドラッグデリバリーシステム(DDS)、組織標的化、低侵襲的治療、遺伝子治療、細胞治療、骨髄移植

連絡先

【電話番号】   外線 : 052-789-5002  内線 : なし

【 FAX 】    外線 : 052-789-3994  内線 : なし
         
【 所在地 】   〒464-8601 名古屋市千種区不老町
         名古屋大学環境医学研究所 環境医学研究所北館1階
         生体適応・防御研究部門 脳機能分野

【 ホームページ 】  http://www.riem.nagoya-u.ac.jp/4/brain/index.html