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病態内科学

循環器内科学

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再生医学グループ

私たちはこれまで「血管の再生」に関する研究を行ってきました。
手の施しようの無い(他に治療法が無い)程度に重症化した末梢動脈閉塞性疾患の方に、自己骨髄細胞を移植することにより毛細血管を再生し、皮膚の潰瘍や激しい痛みを改善させる、という治療です。閉塞性動脈硬化症やビュルガー病の重症の方が対象となります。
最近では自己皮下脂肪組織由来幹細胞を使った血管再生に関する研究も行っています。
また基礎医学的研究では、血管再生を直接刺激するVEGF、FGFなどに関する研究や、遺伝子・細胞治療の可能性。脂肪細胞から出る蛋白質であるAdiponectinや、細胞骨格を形成する蛋白質(Girdinなど)と血管再生や動脈硬化の関わりに関する研究を行っています。
またiPS細胞を使った血管再生の可能性についても京都大学と共同で研究を行っています。

不整脈グループ

不整脈の心臓電気生理検査、カテーテル・アブレーション、ペースメーカ、埋込型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT, CRT-D)などの臨床と不整脈関連の臨床研究、基礎研究を行っています。平成21年にアブレーション310件の他、ペーシングデバイス手術95件と極めて積極的に臨床を行っております。また研究面では不整脈の発生とQT時間、自律神経の関わりや、ブルガダ症候群などの遺伝子病について、心電図、ホルター心電図、電気生理検査、遺伝子検査などにより解析を行っております。また、心臓再同期療法のレスポンダーを予知する方法を解明するなど、CRTに関する臨床研究も行っております。基礎研究では、心不全ウサギを用いて薬物の心房細動抑制効果の検討を行っております。

虚血グループ

冠動脈硬化の成因に迫る研究を、冠動脈内超音波(IVUS)を主に用いて行っています。特に、冠動脈硬化の主要な危険因子である糖尿病や、脂質代謝異常、高血圧症、また最近話題の慢性腎臓病(CKD)をからめながら検討を行っています。
IVUSの技術進歩により、最近は動脈硬化の質を判定できるようになって来ました。我々はそれらのデバイスを駆使し、CKDなどの冠危険因子と、急性心筋梗塞や不安定狭心症といった急性冠症候群の原因となる不安定プラークには深いつながりがあることを提唱しております。また、脂質を低下させる薬や血圧を下げる薬の投与で、冠動脈硬化を改善させる効果や、不安定プラークをより安定化させる効果を得られること等を示し、臨床的に虚血性心疾患を有する患者さんの治療に応用しています。
また、昨年より名古屋大学循環器内科同門会の賛助を得、当院にOCT (Optical Coherence Tomography:光干渉断層法)を購入しました。OCTは赤外線光、光繊維、最新信号処理技術を用いた高解像度の画像構成技術で、最大の特徴はその高い解像度で,IVUSの解像度が100〜150μmであるのに対し,OCTは10〜15μmと10倍優れています。そのため,IVUSでは不可能であった血管の内膜・中膜・外膜の判別が可能で,プラークの性状や線維性被膜の厚さなども測定することができ、臨床的に使用することで虚血性心疾患患者さんの治療に対して、最良の治療を提供することができるようになると考えています。

臨床疫学グループ

日本は欧米に比べて大規模臨床疫学研究が20年以上遅れていると言われています。これはこのような臨床研究に国が力を注がなかった(支援してこなかった)、あるいは新しい薬剤の国内承認が外国に比べて大幅に遅れていた(いわゆるドラッグラグ)などといった政策のまずさにも原因があります。
しかしながら、最近では循環器領域でも国内で行われた大規模臨床試験の結果がLancet誌やJAMA誌などにもやっと掲載されようになりました。
私たちも豊富な関連病院の先生方、開業医の先生方といっしょに、現在Nagoya Heart Study (NHS), NAMIS, ARCH, AAA, TACT, PREMIER, SAMURAI研究などを行っています。各臨床試験の詳細は省きますが、今後臨床疫学データを名古屋の地からもどんどん発信していこうと考えています。

心不全グループ

特発性心筋症に対する病態解明、治療法の研究を中心として、これまで多くの成果を挙げてきました。
肥大型心筋症や拡張型心筋症は、突然死・心不全死も多く臨床的課題が山積しており、原因解明に向け世界レベルで研究が進んでいます。
病態解明に対するアプローチとして、生理学的研究手法に分子生物学的手法を導入し、心筋症を始めとする心筋疾患の病態を明らかにしました。また、運動負荷による心予備能評価としての心肺運動負荷試験や、MRI, CT, 核医学などを用いた画像診断、心臓超音波検査など、日進月歩している非侵襲検査をもう一度見直し、臨床研究を行っていきたいと考えています。

現在、話題となっているメタボリック症候群や慢性腎臓病、睡眠時無呼吸症候群と心不全、心機能障害との関わりについても研究しています。また、名古屋大学保健学科の先生方と共同し、運動療法、陽圧呼吸療法も積極的に取り入れ、これらの効果を判定して行きたいと考えています。
今後は広い視野にたち、これまでの研究成果を生かした上で、新たな視点で臨床研究を生み出していけるよう、頑張って行きたいと思っています。

メタボリックシンドロームグループ

心血管系における脂肪組織由来ホルモンの役割解明

「脂肪は身体の指令塔である」という観点から、脂肪組織から分泌されるホルモン(アディポサイトカイン)の心臓、血管での役割を検討しています。
1995年頃より、脂肪組織は数多くのホルモンを分泌する内分泌臓器であるという概念が確立し、現在では、アディポネクチン、レプチン、TNF-α、レジスチンなどと病態との関連が明らかにされてきました。我々は、その中でもアディポネクチンに着目して主に研究を行っています。血液中に豊富に存在するアディポネクチンは、その血中濃度が肥満症や糖尿病、心臓疾患の患者様において低下していることが明らかとなっており、数多くの研究結果から、アディポネクチンは抗糖尿病、抗動脈硬化作用を有するホルモンであることが示されてきました。我々は、心臓における働きとして、心臓肥大や心筋梗塞を抑制する作用を有する事を明らかにしました(Nat Med. 2004, Nat Med. 2005、Am J Cardiol 2008など)。また、血管における作用として、アディポネクチンが血管新生作用を有する事や、そのメカニズムとして血管内皮前駆細胞の動員や機能亢進が関与していることを明らかにしました(J Biol Chem. 2004、FEBS Lett 2008など)。このように、心血管病に対する予防や治療として、体内の善玉ホルモン「アディポネクチン」を増やす事が有効であると考え、アディポネクチン増加作用に関する研究も行っています。カロリーを制限することや糖尿病治療薬の一つであるピオグリタゾンの内服が、アディポネクチン増加作用を有し、その結果、血管新生促進作用や心臓肥大抑制作用を有する事を我々は明らかにしました(J Biol Chem. 2009、J Hypertens 2008など)。カロリー制限のアディポネクチン増加を機序とした血流回復作用に関しては、2008年11月5日版の中日新聞夕刊にも掲載されました。
臨床研究と基礎研究を同時に行う事が当研究室の特徴でもあり、From bench to bedsideを実現させる事を目標に日々研究に励んでいます。

教員

構成員名/英名表記 役職 所属
室原 豊明/MUROHARA Toyoaki
教授循環器内科学

研究分野紹介

専攻 分子総合医学
大講座 病態内科学
分野 循環器内科学