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研究室紹介(寄附講座)

睡眠医学

研究室概要

教育研究領域の概要

1998年に厚生労働省が実施した疫学調査によると、成人の21.4%が不眠を訴え、14.9%が日中の眠気を自覚している。さらに、日本における睡眠障害の経済損失は医療費を含まない額で約35000億円、医療費を含むと約5兆円と試算されている。例えば、睡眠障害は、心循環系疾患、耐糖能異常、うつ病などの発症危険因子であると同時に、睡眠障害はほとんどの精神疾患が示す基本症状である。また、成人で発症頻度の高い睡眠呼吸障害や、交代勤務や深夜勤務の増加による睡眠覚醒リズム障害による、重大事故の増加や就労能力低下も社会問題化している。これら睡眠障害がもたらす大きな社会的損失を軽減するため、睡眠障害に対する適切な診断、評価及び治療の必要性が指摘されている。

 一方、近年、基礎睡眠科学の進歩により、睡眠の機構や役割が明らかにされつつあり、睡眠は単なる休息の時期ではなく、記憶の定着など脳機能に大きな意味を持つこと、さらに免疫、代謝といった基本的な生命機能にとっても必要不可欠であることが判明している。

 これらの動きを受け、2001年には日本学術会議において提唱された新しい研究領域「睡眠学」は、国家の重点研究課題として取り上げられ、新しい学問体系として位置づけられている。

以上を踏まえ、本講座では、基礎睡眠科学で得られた知見を活かし、睡眠医学教育により次世代の睡眠医療に携わる人材の育成、睡眠に関する正しい知識の普及、睡眠障害に対し適切な医療の開発と提供、睡眠医療ネットワーク拠点としての役割の達成、を実践することを目指す。

 

Ⅰ. 教育

睡眠障害は、精神・神経疾患、心循環系疾患、耐糖能障害など、多様な疾患に併発し、多岐にわたる病態に影響を与えることが明らかとなっている。したがって、複数の診療科が協力して診療することが必須である。しかしながら、名古屋大学医学部附属病院(当院)では、各診療科が個々に睡眠障害に関わる診療、教育、研究を実践しているのが現状である。本寄附講座が設立されることで、睡眠障害を客観的かつ正確に診断・評価する診療が実践され、かつ、各診療科の協力体制が構築され、その結果、睡眠医療に従事する医師および検査技師の教育、研修体制が整備され、質の向上が期待される。また、医学部、保健学部の学生および研修医を対象として、系統的な睡眠障害に関する教育、研修活動を実施することで、睡眠障害に対する理解が深まり、次世代の睡眠医療に携わる人材の育成が期待される。また、睡眠医療ネットワーク拠点として学外の多様な医療関係者や一般を対象として睡眠医療に関する講演・研修会を行い、睡眠障害に関する啓発活動を実施する。

Ⅱ. 研究

本講座は多様な睡眠障害を呈する疾患の病態解明と適切な診断、評価、治療法の開 

発を目指す。

 具体的には下記に示す内容を予定している。

1)睡眠時無呼吸症候群の遺伝学的検討:耳鼻咽喉科学分野との連携

2)小児睡眠時無呼吸症候群と成長・発達との関係性

  :耳鼻咽喉科学分野との連携

3)睡眠障害と精神症状、認知機能、運転技能、脳機能の関係性

  :精神医学分野との連携

4) 睡眠障害の簡易検査機器開発:精神医学分野との連携

5) 睡眠検査機器を用いた精神疾患の評価:精神医学分野との連携

 

教員紹介

構成員名/英名表記 役職 所属
 大竹 宏直 / Hironao Otake
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准教授睡眠医学寄附講座
藤城 弘樹 / Hiroshige Fujishiro
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講師睡眠医学寄附講座
宮田 聖子 / Seiko Miyata
助教睡眠医学寄附講座

研究キーワード

不眠症 睡眠時無呼吸症候群 過眠症 
睡眠時随伴症 睡眠関連運動障害 概日リズム睡眠障害